あたしの異常な愛情

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2008-05-20 02:23




私達は役者だ。人とは正反対の生き物なんだよ
トム・ストッパード著「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」


さて、どこから始めましょうか。そう悩むほど、この役者には惚れ込んでいるんですね。数多いカナダ人俳優の中でダントツに好きなのはもちろん、どんな役者の中でも飛びぬけて好きです。あたしが購入したビデオやDVDは大切に管理されるわけですが、彼の出演作は特別なボックスに入れてもらえるという栄誉がついてきます。

はじめてロバート・ジョイという役者を意識してみたのは「悪魔を憐れむ歌」でのサンドイッチ売りの青年役だったと思う。エリアス・コーティアスから始まってジョン・グッドマンに至るまで、悪魔に支配される役者がいい顔を見せる映画なんですが、彼の演技は一際ナチュラルというか、流れるような感じ。路上でじっとデンゼル・ワシントンを待つだけの場面にも、常に動きがあるんです。

ミステリ作家を強請ろうとして逆に消されてしまう「ダーク・ハーフ」もまたジリジリと人を追い詰める、トカゲみたいな雰囲気。ワンシーンだけの小さな役ではありますが、このロバートは非常にいい。決して過度でない、微妙にクセのある男という役がうまい。最近の「ヒルズ・ハブ・アイズ」では役名こそリザード(トカゲ)という、カンニバルありレイプありの性悪なミュータントを演じました。

それがスーザンを探す「スーザンを探して」では一転してコミカルに。華奢な体とミスマッチなロッカーという設定は、パンチもボリュームもあるマドンナとは対照的。なんとなく男が弱い「チック映画」(=女性による女性のための映画)なのでそれはそれでいいんでしょうが、走ったり落ちたり殴られたり、どんな場面も情けなさ倍増です。

そうやって見ると、彼の面白さは仕草でも表情でもなく、体全体から出てくるんですよね。トカゲの体で自由に動き回るロバートは、さながらサーカスの軽業師のようです。

そんな面白さが最もキレイに出ている映画が、ルイ・マル監督の「アトランティック・シティ」ですね。バート・ランカスター演じる古びたギャングの周りをウロウロしては犯罪に巻き込まれる、恐いもの知らずで、せっかちで、ちょっと頭の悪い若者役。ロバートはアトランティック・シティまでヒッチハイクしていくオープニングからずっと、本編中も歩いていることが多いんですが、全体像が見えるので、とても面白いのです。

しかし、この役者の面白いところは、それだけじゃないんですね。じゃあ、ロバートを至近距離で見たときの魅力とは何なのか。Part 2にて語ります。



ロバート・ジョイ
Robert Joy

1951年8月17日カナダ、ケベック州生まれ

主な出演作:
「アトランティック・シティ」(1980)
「マドンナのスーザンを探して」(1985)
「ビッグ・ショット」(1987)
「ダーク・ハーフ」(1993)
「悪魔を憐れむ歌」(1997)
「ヒルズ・ハブ・アイズ」(2006)





2008-03-20 00:26



今月の米版エスクァイア誌で特集されているのが、レスリー・ニールセンによる「私が学んだこと」。面白かったので、あたしの訳で申し訳ないのですが、おすそ分けします。暦によれば冬も今日まで。ニールセンの真面目さを手本にしてもしなくても、皆さんいい春をお迎えください。


「ひとつ言えることは、人は笑っているときは誰も私をボコボコにしようなんて思わないということだ」

「私が育った北極圏では、笑いは一日の糧のひとつだった。誰も「おい、すげえ寒いな」なんて聞きたくないからだ」

「自分が崩壊した家庭で育ったということに気付くまで、随分と時間がかかった。まぁ、それでも、私の場合は気付いただけマシだったということだな」

「“あの”裁判は合理的疑いがあるかどうかが全てだった。私に言わせれば、O.J.シンプソン以外に犯行を成し得た人間はひとりもいないという合理的疑いがある、ということなんだが」




「確かに、私は「パロディ界のローレンス・オリビエ」と呼ばれたことがある。ということは、ローレンス・オリビエは「シェイクスピア界のレスリー・ニールセン」であるわけだ」

「『神とはその探求の中に存在する』という古い諺がある。ここで理解しておいてほしいことは、私はそもそも探してはいないということだ」

「よく『どう人に記憶されたいか』と聞かれるんだが、私にとって大して重要なことではない。私は「フライングハイ」、「裸の銃を持つ男」と「裸の銃を持つ逃亡者」、そして「レスリー・ニールセンのドラキュラ」をやった。私は自分なりの小さなピラミッドを作ったようなもので、そのピラミッドは人が見ようとする限りは消えることがないんだ」




「私にはどうしても自分自身に目を光らせておく必要があるんだ。ときに、私はすばらしく重要な事を発言することがあるものでね」





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